11月21日(月)に元『マリカ』編集部の宮武芳江さまに、第8トキワ荘(男子寮・青井)をスタッフと共に訪問して頂きました!第5トキワ荘に続いて2度目になります。(前回の講義録はコチラ

そして今回は、特別ゲストとして4コマ漫画雑誌編集部のM岡さまもお招きし、4コマ漫画についてもお話していただきました。ご興味のある方に、ぜひご一読いただければと思います。

今回も内容をQ&A形式で掲載いたします。



(1)4コマ漫画について

Q.現在、4コマ誌ではどういった漫画を掲載していますか?
A.単行本として売れるものを載せている傾向にある。


Q.M岡さん担当の4コマ漫画雑誌の新人向け投稿コーナーとは?
A.まず3人がエントリーし、読者による人気投票で1位となった作家は3ヶ月間、3ページの連載権を獲得できます。アンケート次第では、その後に繋がる事も……。


Q.最近の4コマ漫画について教えてください。

A.最近は5〜6ページで1つのエピソードを描く形式のものが多い。(たとえば、5〜6ページで「遠足に出発してから帰るまで」を描く)


Q.どういった4コマ漫画が人気がありますか?
A.毎回安定した「笑い」や「泣き」を提供してくれるような作品の人気が高い。どちらかというと男性読者が多いので、可愛らしい女性キャラクターが登場すると人気が出ることも。


Q.新聞で連載されている4コマと雑誌のものとでは何か違いがありますか?
A.新聞の4コマは、1本しか掲載されないため、その1本で読者に通じるように落とす必要がある。


Q.4コマ漫画を志望する上で注意しなければならない点は何ですか?
A.背景が少ないからと4コマを志望する人が多いが、それでうまく行くような世界ではないので注意して欲しい。


Q.4コマ漫画家と通常の漫画家との違いはありますか?
A.それほど大きくは変わらないが、何誌か掛け持ちしている人も少なくない。6誌以上持っている人もいる。
 またアシスタントを使わない人も多く、一部の売れっ子以外は主婦や他の職業との兼業という人も。女性が多いのも特徴。


Q.4コマ漫画における漫画家と編集者の関係は?
A.4コマ作品はネタが命ゆえに、編集者のディレクションがあまり入らない場合もある。ゆえに作家自身に委ねる部分が多く、売れる人は自分で事前にダメ出しをして、自分で納得いくまで直す傾向にある。また編集者にダメ出しされた場合、作家は一部を修正するわけではなく、そのネタを1本まるまる全ボツにすることが多い。


Q.4コマ漫画で売れっ子の人にはどういう要素がありますか?
A.独自の世界観を読者に提供できるので、固定ファンがついている。


Q.4コマ漫画の読者層はどのような感じですか?
A.普段漫画を読まないような層も息抜きに読むことがある。それ故に、複雑な設定よりも軽く読める分かりやすい設定が好まれる傾向にある。どちらかと言えば男性読者が多く、割と高年齢の層もいる。

(2)新人に向けて

Q.編集者が新人の卵を見ていて感じる事はありますか?
A.「また作品を持ってきて」と言っても、持って来ない人の方が遥かに多い。当たり前ではあるが、がんばっている人の方が好印象。


Q.持ち込み時にキャラクターが多いと言われるのですが……。
A.そう言われるのならまず3人くらいに絞るべき。
・キャラクターが動かせていない
・描き分けが出来ていない
などが背景にあるので、まずはやりやすい人数からはじめるべき。たとえば2人のキャラクターを1人にすることで深みが出る場合もある。


Q.漫画家を目指すのに年齢は関係ありますか?
A.ないとは言わないが、売れればOKという面もある。
ただ年齢が上になると、人の言う事を聞かなくなりやすい傾向がある。
(当然、雑誌によって違いはある)


Q.絵について何かアドバイスはありますか?
A.絵はどんな形で芽が出るかわからないので大切にした方がいい。編集者に言われるよりも自分で気が付いて直せる人が伸びる。
 トレースによる練習は上達する。(柔軟体操のような気持ちで。当たり前だが、トレースしたものを自分の作品に使えという意味ではない)


Q.「この作家のアシスタントがしたい!」と思ったらどうすればいいですか?
A.とりあえず編集部に電話してみるのはアリ。募集がなければ「ない」と言うだけなので別に迷惑ということはない。ただ何が“きっかけ”になるかわからないので、まずは積極的に動いてみて欲しい。


Q.新人の漫画家が作画において見落としやすい点は何ですか?
A.ふきだし。背景などには目が行くが、ふきだしにまで気が回らない人が多い。ふきだしがフニャフニャしているだけで、意外と読みづらい。

(3)編集者との関係について

Q.新人の卵が編集者と付き合う上で意識した方がいい事は?
A.編集者も人間である以上、“えこひいき”はある。単純に、好きな絵&好きな作風の方が「面倒をみよう」「応援したい」と思う。(だからと言って、担当の気に入るものを描けとは言わない)
 正直なところ、編集者がプロの作家よりも新人に割く時間は、ずっと少ない。なので、そんな中、「また作品を持ってきて」と言われているという事は、見込みがあるという事なので、ぜひ喰らいついて欲しい。
 新人の第1稿は作者にしかわからないもの(=読者に伝わらない)になっている事が多い。それを修正するのが編集。もちろん編集も間違うことはある。


Q.いろんな出版社や雑誌に持ち込むべきですか?

A.どんどんいろんなところで意見を聞いたほうがいい。編集者は仕事として作品を最後まで読んでくれる人である点は覚えておいて欲しい。残酷かもしれないが、新人の作品は、読者は最後まで読んでくれない事も多い。


Q.将来的に出版社は1つに絞った方がいいのですか?

A.最近は作家の囲い込みもなくなってきているし、専属契約も減ってきている。出版社の枠を超えるケースも増えているので1つに絞り込む必要はない。(作家だけでなく、出版社同士が組むという場合もある)


Q.編集者の忙しくない時期はいつごろですか?
A.発売日の前後は大抵、仕事が一段落しているので時間があるケースも多い。月刊誌などはわかりやすい。


Q.編集者の指名の仕方にはどのような方法がありますか?
A.まずは事前に下調べをして直接名指しすればOK(「『○○(作品名/作家名など)』の担当の方に見ていただきたいのですが」といった形で)。編集者は大抵、漫画が好きなので悪い気はしない。
 また一度、同じ出版社の人に見てもらっている場合は「この前はAさんに見てもらったのですが、今度はBさんの意見も聞いてみたいです」という内容を下手(したて)に伝えてみるのもアリ。
 「僕はギャグ路線なので、ギャグの好きな編集の方に見てもらいたいのですが……」というような言い方もある。(意外とこういう言い方をしてくる人はいないが、悪くない方法なので試してみて欲しい)
 雑誌の賞などでは作品を見た上で、誰がどの新人を担当をするか決めるが、持ち込みの場合は、電話を取った編集者がというケースも多いので、ある程度は自分の意向を伝えた方が良い。

(4)マーケティングについて

Q.漫画誌のマーケティングにはどのようなものがありますか?
A.基本はアンケートハガキや売上にプラスαといったところ。最近はブログなどネットも参考にしている。
 ただ読者は、面白い物を見せてくれ、と言っても、“こういう”面白い物を見せてくれ、と具体的に言える人はほとんどいない事は覚えておいた方がいい。


Q.やはり漫画以外のことにもアンテナを張るべきですか?
A.一般の読者は漫画にだけ興味があるわけではないので、そうすべきです。むしろ、数多くある娯楽の中からあえて漫画を選んでもらうために何をすべきなのか、そうなると自然と漫画以外のジャンルにもアンテナを張らざるをえないと思います。

(5)プロの作家について

Q.4コマ漫画以外も含め、売れる漫画家の要素は何ですか?
A.月並みだがハングリー精神とプロ意識。どんな仕事でも手は抜かないで欲しい。
(新人のときに、望んでいない媒体や仕事だからと手を抜いてもいい事はなく、その程度しかできない人間だと思われてしまう。)


Q.プロの作家の方は自分の作品をどう捉えていますか?

A.自分への要求が高いゆえに、自分の作品が嫌いな人も多い(ハングリー精神)。逆に自分の作品で笑うような人もいる。
 「自分はまだまだ努力すべき」という面と「自分はよくやっている」という面とで上手くバランスを取る必要がある。


Q.プロの人は他人の作品を読んでいるのですか?

A.人並み程度は読んでいる人はいても、メチャクチャに読んでいるという人はそれほどいない。影響を受けたくないので読まない人もいれば、ネタが被りたくないので読む人もいる。結局は人それぞれだが読んでおいて損はない。




以上です。

元『マリカ』編集部の宮武芳江さまによるトキワ荘訪問は、08年12月にも実施予定です!
もちろん次回も講義禄を当HPにて公開いたしますのでお楽しみに!

上記の内容など、本講習会に関するお問い合わせは
tokiwaso@newvery.jpにお願いいたします。


 


 


 
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