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(写真)左:漫画家・大崎充先生、右:「週刊コミックバンチ」里西哲哉副編集長

6/14(土)に飯田橋駅近くのルノワール会議室にて
「トキワ荘プロジェクト漫画講習会」を開催しました!

今回の講師は『週刊コミックバンチ』里西哲哉副編集長、
同誌にて『グ・ラ・メ 〜大宰相の料理人〜』を連載中の大崎充先生(作画担当)です。

第1部では『週刊コミックバンチ』や大崎先生ご自身について等を
語っていただき、新人に向けて貴重なメッセージも頂戴いたしました。

そして第2部では参加者が事前に提出した作品をもとに
講師の方々に指導していただきました。

さらに講習会後の打ち上げに、里西様・大崎先生も
参加していただき、活気のある素晴らしい時間となりました!
お忙しい中にも関わらず、本当にありがとうございます!

以下、講習会の内容につきまして、
箇条書きではありますが掲載させていただきます。
(WEBへの掲載を快諾してくださった里西様・大崎先生には重ねて御礼申し上げます)




(1)週刊コミックバンチについて
■コミックバンチは業界では後発(08年6月時点で8年目)
・作家の層は、まだ薄い→新人発掘は大切

■漫画賞について
・月例だと、だいたい月20本程度の応募
・年に一回のだと100〜200本くらい
→雑誌の規模に作品応募数が必ずしも比例するわけではない

■バンチは他誌よりも原稿料が高い(新人で1ページ2万円程度)
・他誌では新人作家で売れない人は借金を抱えてしまう
 (作業場の部屋代、アシスタント代など)
・バンチは作家を大事にしようという方

■バンチのアシスタントシステム(アートルーム)について
・バンチ側で事務所を1フロア借りてアシスタントに作業部屋を提供
・部屋代はバンチ側(会社)で負担するので作家は助かる
・アシスタントの人材確保や流動化、および作家へのサポート目的
・ただし、反面“居心地が良すぎる”ので、
 アシスタントの人間には漫画を描かなくなる者もいる+派閥などの人間関係の問題
※トキワ荘PRJで希望する方はいつでも来ていただければ、とのことです(里西さんより)



(2)漫画家・大崎さんについて
■現在、3本連載中
・1週間ずっと絵を描いている状態
・ある作品を描きながら、別の作品を構想・準備

■情報などのインプットはなかなか追いつかない面もある
・ただし、ネットなどで、ふとした情報をチェック。本なども同様
→蓄積した情報・資料などを後の作品に生かす

■元はグラフィックデザインの事務所で働いていた
・グラフィックデザイナーの専門学校に通い、そのまま仕事に
・同僚に漫画を描いている人がいたので、自分も仕事をしながら
 空いている時間に作品を制作。
・完成した作品をスピリッツに持ち込み、入賞
 →担当に「漫画家を目指しましょう!」と電話で言われるもこのときは断る
  (この時点では漫画家になるつもりはなかった)
・ただ漫画を描く事自体は楽しかった
・次いで他社にも応募。これも入賞し、本格的に漫画家を目指すように
・しかし、その後、受賞はするが連載には至らず
・さらにその後、コミックバンチの里西さんと出会い現在へ
・(※連載まではだいたい5年ほど掛かったとのこと)

■ネームを描いているときは机に集中or外で作業
・横になると、時間が無駄に経過してしまう

■もともと誰かに憧れていたわけでもないので、編集者的な目線で画集等を収集
・「この絵がウケる!」というのを分析

■漫画家になってよかった事=絵を描いてお金がもらえる
・デザインは事務的・クライアント優先
・漫画は自分が主役になって作品を作れる



(3)新人に向けて
■(重要)企画を通す力の強い編集さんと出会うと連載・掲載に繋がりやすい
・どう“相性のいい”編集者に出会うかが非常に重要
・今はネットなどで事前にリサーチできる(ヒット作の立ち上げに関わった編集者さんなど)
・「いい作品を描くのと同じくらい重要かもしれない」

■持ち込みの際に、名指しは厚かましいと思うかもしれないが、された方が編集者も嬉しい
・より親身になって聞いてくれる可能性も
・名のある“エライ”編集者よりも、熱意のある(野心のある)若手編集者の方が
 作品を押す力が強い可能性もある。 →編集長クラスになるとどうしても雑誌全体のこと考えてしまう

■「この人、こういうときに使えるかな」と認識されることが大切
・例:時代劇ものなら…、動物の絵なら…など
・新人が自分のオリジナルで連載する事は非常に稀
・編集側からの提案がある場合がほとんど。
 つまり、「この提案ならこの人に…」等思ってもらえる事も大切
cf.アフターヌーンなど作家の特色を重視する雑誌もある

■プロになるまでは“締め切りがない”=やらなくても怒られない時期
・この時期に、どれだけがんばれるかが大切

■(重要)自分の武器は何なのかを認識し、そこを伸ばす<努力の仕方>
・漫画だけでなく、自分のキャラも立てる必要がある

■(重要)読者の想像を何らかの点で越えなければならない
・“自分の武器”で越える
 例:絵がウマイ!演出がスゴイ!知らない情報提供してくれる!など
・最初の読者は編集者。
・どれも満遍なくできるよりも、何かに突出している(いびつな)方が
 編集者も騙されやすい(=協力してくれやすい)。
・(大崎さんの場合)女の子をカワイク描きたい!=読者を超えている部分

■人それぞれだがアシスタントはやった方がいい(大崎さん)
・個人差はあるとはいえ、自分のスキルアップに大きな差
・プロの漫画の現場を一度見ておくという意味でもオススメ

■一番の絵の練習は「漫画を描く事」

■“机の上でできる”話はいらない

■水道管で水が漏れているのを直していくようなネームは捨てたほうがいい

■作品で“力を抜く”箇所が意外と作家性に繋がる事も



(4)その他
■デジタルの作業について
・ネームをPCで描く人もいる
・カラーはデジタルと言う人はかなり多い
・ほとんどの作業をデジタルでやる人も
・データでなければダメというわけではない (紙の上でも問題はない)
・アシスタントをするには、現在はある程度、紙で描ける必要がある

■原作について
・今求められているのは何かのスペシャリスト
・漫画以外の社会経験を積んだ人がいい
・昔は小池一夫さんなど「生き様」を描ける人がいたが、今はもういない



(5)作品講評から
■ジャンプは若い作家が多い
・原哲夫さんもまだ40代

■漫画=わかりやすい絵を描く事!

■読者には100伝えているつもりでも、30しか伝わないと思った方がいい
・漫画家、編集者は“わかったつもりで”描いてしまう
・作者は登場人物の設定など作品に出てない物語の裏側を知っているが
 読者は当然そのことを知らない
・200%伝えて、初めて80伝わると思った方がいい
(ただし説明くさくなれという意味ではない)

編集の目にとまる絵は、読者の目にもとまる

■自己暗示をかけてでも自分の武器は何なのかを見極めて伸ばす



(6)作品づくりについて〜大崎さんの場合
■カラーはコピックで
・薄い色から塗る
・コピックは何回も色を重ねられるわけではない=乾いてしまうと色が重ならない
 (つまり短時間で仕上げる)

■肌などの濃い部分と薄い部分の境界の塗り方
1)薄い色、濃い色、中間色の3つのコピックを用意する
2)薄い色を全体に塗る
3)影の部分を濃い色で塗る
4)境界にささっと、中間色を塗る(乾かないうちに)
5)時間があるときは、薄い色・中間色をもう一度塗る

背景はネット、本、写真
・人物のペンを入れた後に、コピーして背景の描き方を指定して
 アシスタントに頼む
・難しいときは実際に自分で大まかにアタリをつけて指示
・写真のトレースもあり
 (ただしトレースの際は著作権に注意。プロのカメラマンには自分の作品がわかってしまう)
・『グ・ラ・メ 〜大宰相の料理人〜』の食べ物は基本的に写真のトレース(嘘をつけない部分なので)

■編集者との打ち合わせでは骨組みだけ確認(そこは粘る)
・あとは早く帰りたいと思う
・細かなイメージは自分でやる
・長すぎる打ち合わせは逆に中身がない場合の方が多い

■ネームは頭の中でやるというよりは、まず描いてみて自分の目で見て考える
・B4の紙数十枚を用意
・思い浮かんだシーンをさっと描いていく
・何枚かできたものを後からつなげていく
・とにかく手を動かす事でイメージがふくらむ
 (手を動かすと脳が刺激されるので頭がよく働く)

■連載のネームは2〜2日半程度(18〜24ページ)
・ネームは長く時間を掛けるものではない
・ガッーと勢いで描けないのなら、何かがオカシイ
・ネームは2回描く
 (1回目)自分にしかわからないようなもの<1〜2時間程度
       この段階でアイデアを出してしまう
 (2回目)1回目のネームを冷静に見直す
       カメラワークなど演出についてはこの段階で考え
  ※イメージが逃げてしまうので集中力が大事。短期集中で

■物を描く時は基本はプレート
・プレートが合わない部分は合う部分を何回も繋げていく
・どうしてもできないものは、フォトショップで図形をつくってコピー>トレース



以上です。

上記の内容等、本講習会に関する問い合わせは
tokiwaso@newvery.jpにお願いいたします。

 


 


 
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